手を包み込まれて、全身を電気が走った。


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手のひらでの行為

ある程度、年齢を増してくると女性との接点が少なくなります。

特に、若い女性との接点、会話すらも数少なくなり、体を触れることなど
夢のまた夢の世界です。

風俗という例外を除いては握手、手を触れることさえもあり得ません。

しかし、男というものは、異性を触れ合いたいものなのです。
究極、話をして盛り上がることだけでも待ち望んでいることです。

これは一種の憧れでもあり、願望なのです。

いつも前を通りかかる女性を見て想像します。

まるで恋人のように楽しく会話してはしゃぎ、じゃれ合う。

こんな夢を見てしまう。

 

そんな夢物語は訪れないのですが、ちょっとしたトキメキは訪れます。

とある平日の午後、仕事が早く終わり、何気なしに訪れたホームセンター

お客はまばらで通路もレジも混み合っていない。

何気なしにブラブラと商品棚を見て回り、買う予定はなかったのに

ふとしたはずみで車用品のひとつをカートに入れる。

 

今日もつまらない一日だった。

多くの人々が行き交う現場で何気なく見かけるいつもの光景

若い女性や年配の女性が行き来する。

そして、買い物帰りの中年の女性、こちらも見るでもなく、通り過ぎて行く。

ごく普通の日常のひとコマ。

つまらない一日が終わろうとしていた。

 

レジに急ぐ、3列のレジが並んでおり、客もまばら、並んでいてもひとりぐらい。

一番奥のふくよかで笑顔のすてきな中年女性のレジに並ぶ。

カートに入れたのは、3つの商品。

「おまたせ致しました。」やさしい笑顔で迎えてくれる。

微笑みが少し色っぽいかなぁ。

素早く、バーコードをスキャンして「ありがとうございます。1,620円です。」

財布から二千円を取り出し、それを受け取り、レジの機械に差し込むと
釣り銭受けからジャラジャラと380円の小銭とレシートが出てくる。

まず、レシートを渡してくれて、もう一度「ありがとうございます。380円のお釣りです。」

と小銭を片手に乗せて渡そうとしてくれる。

その彼女の左手が私の左手の下にかぶさり、更に、彼女の釣り銭を載せた右手がそっと私の手を挟み込む。

下から、上からふわっと私の手が包み込まれた。

まるで何もかを容認しているかのような感触。

それは手から体を抜ける電源が走ったような感覚。

実は、一瞬だっただろう、でもとても長い時間に思えた。

彼女を見たがニコッと笑って次の客を出迎えていた。

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