裏道にこそ本当の色街がある


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裏道にこそ本当の色街がある

温泉街のひと筋裏手を歩くと年増女の色香が漂っています。

そこには明るい蛍光灯は似合いません。

裸電球か?黄色灯が似合います。

細い路地です。

赤い灯やピンク色の灯もあります。

フラフラと歩くのです。

軒祭しから声が掛かります。

「ちょっと寄って行ってよ!」でも本当は声はないのです。

くねくねと曲がっていて、薄汚れたちょうちんが街灯代わりです。

この先に何があるのだろう?

浴衣姿の客もちらほらと見かけますが、だいたいは地元のおっさん連中が闊歩します。

ちょうちんは大体が赤でその赤が剥げ落ち、薄紅色で光を投げかけるものだから、

この路地はピンク色に染まる。

店の中からダミ声とけたたましい笑い声、場末のストリップ小屋の

舞台のそで口を練り歩いて、おしろいと安物の香水が押し寄せるこの場所

ガラガラと戸が開き、中から半袖シャツの年配のおっさんと胸のはだけた女将さんが

いやらしい言葉を交わしながら客を見送る。

その客の後ろ姿も消えぬうちにこちらに向かい話し掛ける。

「ねぇ~入ってって~今客誰もいないの!しっくり飲みましょ。」

持ち前の大胆なポーズで目はトロケている。

着こなした着物の襟元から胸の谷間が覗く。

「あら、旅のひとね、いい話があるの、ちょっと聞いて行ってよ!」

思わず、喉を潤すのとすけべを潤すのにもってこいだ。

やれやれ、いつもの好奇心だ、高く付くぞ、この一杯は!

あとは・・・?

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